○○はセンスを越える

犬との向き合い方

パピーウォーキングを担当するようになって、

醍醐味の一つと感じているのが、パピーを通して毎年多くの方に出会えること。

その中で、様々なお話を伺えること。

先日は、飲食業を長く経営をされている方のお話を聞く機会がありました。

伸びていく人材って?

私も組織の中で、犬だけではなく職員の採用や育成といったことに携わる立場になってきており、色々と考え方を聞いてみたいと思っている方でした。

お話の中で、『伸びていく人材とは?』という質問をさせていただいた時、

素直さを持っている人」という答えでした。

素直な人は、

与えられた機会をまずやってみようと行動し、

そして、失敗してもその経験から学んでいく。

素直に他の人を真似て吸収していくので、初めは下手くそでも、必ず上達していく。

そして、常に謙虚で素直な姿勢で物事に当たることで、

成長が止まることなく伸び続けていくということでした。

『素直さはセンスを越える』とおっしゃった社長の言葉が、

私の体をビビビビッと貫いていく感覚でした。

盲導犬にも通じる話

❝素直な人が最強!❞ということについては、

私もこれまでの経験を通して感じてきていたことだったので、

共感する言葉として響いたのでしょう。

そして、❝素直さ❞は盲導犬にも求められる資質と言えます。

毎年、50頭ほどをパピーウォーカーに委託していきますが、

その中から盲導犬になるのは10頭ほど。

では盲導犬として選ぶその10頭のどこを見て評価しているかと問われれば、

盲導犬は、いろいろな環境や人に合わせられる柔軟性が求められるので、

❝素直さ❞はとても重要な評価項目になってきます。

(他にもたくさんの評価項目があります/あくまでも盲導犬として考えた場合です)

❝素直さ❞は伸ばすことができる!?

では素直さは生まれ持った資質なのでしょうか?

それとも身に着けることができるものでしょうか?

これまで400頭近くの犬の成長を見ていると、

素直さは「生まれ持った性格」が大きいなと考えています。

素直さをトレーニングによって身に着けることができる、

伸ばすことができるという考え方を目にすることもあるのですが、

大切なのは『持って生まれたものをつぶさないようにすること

と考えています。

❝持って生まれた素直さをつぶさない❞と考えた時に、以下の二つが大切ではないでしょうか。

①叱ことが中心にならない

人間の子育ても犬を育てる上でも、❝叱る❞が中心になると、

自主性が低くなる、人の目を伺う、失敗を隠す、物事をネガティブに捉える、反発する…

といった素直さとは反対の行動を形成しやすくなります。

②一緒に取り組む経験を多くする

叱ることには、素直さにとってマイナス面が多くありますが、

かといって甘やかして好きなようにさせていいということでもありません。

ではどう付き合っていけばいいのかというと、

『暮らしの中で一緒にやる取り組みを多くする』と良いと考えます。

犬と一緒に遊んだり、一緒に歩くことを楽しむ(犬のための散歩ではなく)、

しつけ動作も『教える』という一方通行ではなく、

「ゲーム感覚で一緒にクリアしていくのを楽しむ」くらいの気持ちで取り組むことが、

叱るでもなく、甘やかしでもないちょうどよいバランスになるのではないでしょうか。

まとめ

社長に、「❝素直さ❞って採用の段階でわかりますか?」と聞いてみたところ、

『わからない』と即答でした。

採用した後で、一緒にご飯を食べているときの諸動作で、

人となりを感じることが多いのだそうです。

また、社員には身体障がい者の方もいるという話の中で、

「その社員がとてもピュアで、学ばされることがたくさんある」とおっしゃっていました。

社員から学ぶ意識を持つこの社長が一番素直な方なんだろうなと感じました。

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