先日、4ヶ月齢の犬を飼育する飼い主の方から
「うちの子はわがまま…。どうやって付き合っていくとこの性格は直りますか?」
という質問をいただきました。
「どうしたら性格が変化するの?」というこの手の質問はちょくちょくありますし、
子育てでも「子供の性格をよくしたい」と願うのが親心。
はたまた、「自分の性格を変えたい…」とお悩みの方もいるかもしれません。
このご質問にズバッと結論から言うと、
そもそも私は、性格は変えられない!と考えます。
こうして結論を先に述べると、もうここで読み進めるのを止められてしまいそうですが、
自分や相手(人や犬)と向き合うヒントがありますので、
もうしばらく読み進めてみてください。
性格は変えられない
私自身のことを打ち明けると、子供のころから内向的で、人見知り。
したがって、人間関係では大勢の人とワイワイとやるよりも、
特定の人と深く付き合いたいタイプです(友達はかなり少ないタイプです…)。
一方で拘束されるのは嫌な性格で、
強制的な指示や管理には反抗心が出やすく、
経理や事務のように決まったことを正確にやる仕事も苦手。
ある程度任されると『信頼されている!』とモチベーションが高まり、
新しいことにどんどんチャレンジしたいタイプです。
皆様にもそれぞれの性格的特徴があり、そしてこれは変えられません。
自分の性格を尊重してくれる人や環境は居心地よく、
それを変えようとしてくる人や環境にはストレスを感じるはずです。
これは犬も同じこと。
犬にも生まれながらの性格的な特徴があります。
そして、人間と同じく、この基本的な性格は変えられません。
変えようとすれば、確実に関係が壊れるでしょう。
ではトレーニングや問題行動の改善って何をやっているの?といいますと、
性格ではなく❝行動❞を変えていきます。
変えられるのは❝思考❞と❝行動❞
行動を変えると言いましたが、
正確に言えば、我々が自分や相手に対して変えられるのは、
❝思考❞と❝行動❞だけ。
どういうことかを説明するには実践していただくのが一番!
下の4つを実践してみてください。
①キリンを想像してみてください(思考)
②右手を挙げてみてください(行動)
③怒ってみてください(感情)
④汗をかいてみてください(生理現象)
いかがでしょうか?
①(思考)と②(行動)は簡単にできたはずです。
でも③(感情)はいきなり怒れと言われても難しいですよね。
④(生理現象)も自分でコントロールすることはできません。
行動が先、感情が後
ところが、感情は、行動した結果に影響されて変化します。
チャレンジ(行動)をして成功すれば嬉しいなどのポジティブな感情になりますし、
失敗すれば、「やめておけばよかった…」とネガティブな感情になりやすいでしょう。
また、同じ事実でも捉え方(思考)が変われば、感情も変化します。
(例:既読スルー(事実)☞ 「無視している」という思考はマイナス感情を作り、
「今は忙しいんだな」という思考であればマイナス感情にはなりません)
つまり、根本の性格は変えることはできませんが、
思考や行動を変えることでそれに伴う感情もコントロールできるようになります。
私は内向的で、見ず知らずの人と話すのは苦手でしたが、
就職して色々な方と接して話すという❝行動❞を繰り返すことで、
苦手意識の❝思考❞も変化していき、
仕事の時にはスイッチが入って、人前でも話せるようになりましたし、
毎年50件以上のパピーウォーカーの皆様とも楽しくお付き合いさせていただいております。
でも、根本の内向性は変わりありませんので、
プライベートではスイッチがオフになって内向性どっぷりで生活しています。
まとめ
犬と向き合う上でも、飼い主が変えられるのは思考と行動だけ。
でも、犬が何を考えているのかという、犬の思考を読み解くのは難しいですよね。
したがって、犬と向き合う上で我々が一番最初にやることは、
行動を変化させること。
仕事から帰ってきて飛びつくのが困るなら、
『興奮するな!』と感情に訴えてもムダです。
嬉しいという感情は大切にしつつ、
その時に望ましい代わりの行動を教えることが(例えば『座ること』)、
とても有効な一手となります!
自分や相手の性格を変えようとするのではなく、
むしろ認めて尊重して、
それぞれの場面で望ましい行動を作っていければ、
それでまるっと平和にいきます!
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