「ご褒美を使うの抵抗ある…」

習性など

私は、5年前からパピーの育成についてはトリーツ(ご褒美)を使うようになりました。

最初は、座ることや伏せること、ハウスなど、部分的に使っていましたが、

今では、その効果も感じて、お散歩や不安解消など、様々な場面で使用しています。

ご褒美を使う効果

トリーツを正しく使って強化できれば、経験の差に頼る必要がありません。

どういうことかというと、

以前であれば、リードショックを使ったり、リードのさばき方、エネルギー(?)など、

犬のトレーニングはある程度の経験がものをいう世界でした。

だから、「パピーがちゃんとするのは、加藤さんからだからでしょ…」と

よく言われていましたし、実際そうだったでしょう。

しかし、今は正しいタイミングでトリーツを使って強化していけば、

誰でも同じように行動を作っていくことができるようになりました。

動画は犬も違うし、人の経験値も違いますが、みんな同じような動きが作れていますよね。

「それじゃあ、面白くない!」

「あくまでも自分のリードさばきを使って犬に教えたい!」

という方はそれでもいいのですが(笑)

ご褒美のマイナスイメージ

ただ、トリーツ(ご褒美)で強化することに抵抗感のある方もいます。

ご褒美で犬の行動を強化することに対して、

「何だかすっきりしない」という気持ちになるのは間違っていません。

というのも、人間関係においては褒美で褒めることは、

相手を自分の都合のいいように変えようとコントロールすることにもなります。

また、自分でやりたいと思って始めたことをご褒美で褒められると、報酬をもらうことが目的となり、せっかくの内発的な動機付けが低下してしまうという心理現象にもなります(アンダーマイニング効果)。

ただし、これは人間同士の話であって、

そのまま犬に対して当てはまることではありません。

犬とご褒美

なぜなら、動物は人間のように意義や目的意識を考えて、

モチベーションを高めることはないからです。

そもそも人間の脳は他の動物と違って、思考する前頭葉が発達しています。

この思考する力によって抽象的なことも考えられるようになりました。

抽象的なものの考え方として、❝意義❞や❝目的❞があるでしょう。

行動している事実は同じでも、

人間はその行動に「何のために」「どんな意義があるか」「どんな目的があるか」

ということを考えることができます。

そしてその目的意識が強ければ強いほどに、とんでもない力を発揮します。

例えば、2011年にワールドカップで世界一になったなでしこジャパンは、

「東日本大震災で被災した人たちのために」という目的を共有してチーム一丸となり、

見事に世界一に輝きました。

一方で、他の動物は自分の行動に対して、

いちいち意義や目標を考えて行動してはいません。

犬も同じで、「将来盲導犬になるのが使命だ!」なんて考えている犬はいません。

あくまでも今この瞬間の事実が大切。

したがって、トリーツを使って褒められることは、

コントロールされているとマイナスに捉えたり、

ご褒美をもらって逆にモチベーションを下げるということはなく、

純粋に行動したときに褒められると嬉しくてご褒美で強化することは有効な手段となります。

まとめ

もちろん「目的や意義を考えられないから犬は劣っている」と主張したいわけではありません。

むしろ、今この瞬間を一生懸命に生きているからこそ、

毎回毎回全力で喜んでくれたりするその姿に我々はいやされるわけです。

将来に不安になることもなく、

死ぬその瞬間まで一生懸命に生きるその姿に我々は生きる美しさを感じます。

やっぱり犬って素晴らしいですね!

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