今回は、ちょっと勇気のいるお話(主張)をしようと思います。
やっぱり大切!犬の社会化期
みなさんなら、「子犬の社会化期」という言葉を聞いたことがある方が多いでしょう。
生後3〜12週齢頃(3ヶ月齢)までのこの時期は、さまざまなものを受け入れ、学ぶ黄金期。
この時期にどれだけ多くの経験をさせてあげられるかが、その子の犬生を大きく左右すると言っても過言ではありません。
でも、「ワクチン接種が全部終わるまではお散歩は控えてね。」と動物病院で言われた方もいるのではないでしょうか。
確かに、ワクチン接種前のパピーは、まだ免疫が十分でなくウィルスに感染するリスクがあるため、これはとても大事なこと。
ただ、「ワクチンが全部終わるまで一切外に出さない」となると、4ヶ月齢を迎えてしまい社会化期という貴重な時期をまるっと逃してしまうことになります。
先日、「外の刺激が怖くて散歩に行けない…」というお悩みを抱えた犬の相談に乗ってきました。
よくよく話を聞いていくと、「5ヶ月齢までは外に出さなくていい」と獣医さんに言われたそうで、それを忠実に守っていて、いざ外に出ようとしたら外の刺激が怖くなっていたのだとか。
その飼い主さんは、「犬にかわいそうなことをした…」とても後悔されていました。
このように、社会化期を過ぎてからでは、新しいものに慣れさせるのは大変な作業になりますし、「5ヶ月齢まで外に出すな」と指示をする無責任な獣医師には正直腹が立ちます(落ち着け俺)。
『抱っこ散歩』はやらないよりはまし…
ワクチンを接種する前でも、社会化期の子犬には、外の世界を体験させてあげることは絶対に必要で、「抱っこして散歩しているよ!」というお話もよく聞きますし、私もワクチン接種前は抱っこ散歩をお願いすることがあります。
でも、本音を言うと……
それは「やらないよりはマシだから」という意味合いであって、子犬の社会化としての効果はあまり期待できないと思っています。
歩く散歩 VS カードライブ
最近、朝に散歩をしています(朝の散歩最高!)。
今日も朝に散歩をしてきましたが、普段は通ったことのない小路を通って探検気分を味わったり、「秋のにおいがしてきたなぁ」と季節のにおいを感じたり、「こんなところにお店が建つんだ」と発見があったり、クルミのみを食べるリスに遭遇したり、朝日を浴びて気分が高揚したり、自分の将来や家族や同僚のことなどに思考を巡らせたりと、1時間で様々な刺激を感じて帰ってきました。
(ちなみにこのブログのネタも朝の散歩で思いつきました)
想像してみてください。
もし車を運転していたら、普段通らない細い道を探検しようと思うでしょうか?
こんなにも季節の匂いを感じることができるでしょうか?
リスに遭遇していたでしょうか?
車での移動は、速く遠くまで行けるけれど、自分の足で歩く散歩に比べると、細かな発見や五感を刺激する体験はほとんどできないと思います。
歩くことの様々な健康効果が研究されており、その中に認知症の予防も含まれていますが、歩くことで脳への血流が上がるとともに、様々な刺激を感じられることがいいのでしょうね。

ワクチン前の子犬も歩かせよう!
子犬の抱っこ散歩が、あまり効果がないと主張しているのもこれと同じです。
抱っこ散歩は、車で移動していることに近いものがあります。
抱っこされている子は、高い位置から景色を眺めることはできますが、自分の足で歩くことで感じられることに比べるとその刺激には限界があります。
地面を自分の足で歩くからこそ、アスファルト、土、草、雨上がりの匂い、風に運ばれてくる遠くの匂いなどリアルな匂いを感じることができます。
また、凸凹した道、砂利道、滑りやすいタイルなど、さまざまな路面の変化を感じることもできます。
そして何より、飼い主さんと「こっちだよ」「すごいね!」「いい子だね」と声をかけ合いながら一緒に歩くことは、絆を深める大切なコミュニケーションの練習になります。
その一つひとつが、子犬の脳に刺激となり発育を促していきます。
だから私は、ワクチン接種前の子犬でも、自分の足で道路を歩かせることをお薦めします!
(獣医さんにこの主張をしたら叩かれるだろうなぁ)
(もちろん、他の犬との接触や他の犬の排せつがない場所を選んで歩くことは必要です。)
歩こう!
ここまでブログを書いてきて、改めて「歩くっていいことばかり!」と感じました。
(犬にも人にもね)
(特に朝の散歩は超気持ちいい)
これからも人類は『早く、楽に、遠くに』移動することを求めていくことで、さらに自分の足で歩かなくてもよい世の中になっていくでしょう。
だからこそ逆に、
自分の足で歩くことの大切さがますます強調されてくるんだろうなぁと未来を想像します。
(By 預言者 加藤)
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