今回は、『ちゃんと見ているよ!』のパワーを侮るなかれ!
というお話です。
突然ですが問題です!
まずは問題!
以下の①~③の3つの異なるシチュエーションの中で、犬が最も長い時間遊んでいたのはどれでしょうか?
①人が同じ部屋にいない
②部屋にいるけれども犬が遊んでいることには干渉しない
③犬が遊んでいるのを見て微笑みかけたりするしている
これは❝人が犬を見ていることが犬に何か影響はあるのか?❞というのを遊ぶ時間の長さを計測して調べた実験です。
この結果は、③のシチュエーションで犬の遊ぶ時間が最も長く、
人が見ていることは犬に影響を与えているという結論となりました。
わざわざ実験結果をお知らせしなくても皆様には容易に想像がつきますよね(イージー!)。
オーディエンス効果
これは“オーディエンス効果”と呼ばれるもので、
犬だけではなく我々人間同士でも同じ効果を発揮します。
子供は2~3歳くらいになると、何かにつけて「みて!みて!」と親にアピールするようになってきますが、親に見られることで心の満足や自分への自信が培われて、その自信をもとに自立心が育まれていきます。
また、親が子供のしていることに興味を持つと、それに取り組む子供の集中力は4倍も高まるという結果も出ているようです。
スポーツ選手が「声援のおかげで実力以上の力を発揮できた」とコメントするのも同じことですし、逆に上司が部下のパフォーマンスに関心がない組織は、確実に組織の生産性が低くなりますよね。
このように、
『見てもらっている』ことの影響や効果は馬鹿にできません!
犬との暮らしに応用する
さて、ここからが本題です!(前置き長い…)
このオーディエンス効果をパピーとの暮らしにおいて応用して考えていきましょう。
特に、幼少期は人の子供と同じく、「見て見て」とでも言いたげに人にかまってほしい時期があり、それを満たしてあげることも必要です。
以前、甘噛みがひどかったパピーに対して、一緒に遊ぶ時間を意識的に取るようにしたところ、甘噛みが軽減したという話がありました。
甘噛みも、「構ってほしい」「見てほしい」という承認欲求が満たされなくて強くなる場合もあり、一緒に遊んでみてあげることで、心身ともに満たされた結果甘噛みが落ち着いたのだと思います。
また、おもちゃで遊ぶのも人が見ているときによく遊ぶことがわかっており、ひとりで待たせるときに、寂しさを紛らわそうとおもちゃを与えても、ほとんど効果は期待できません。
さらに、オーディエンス効果が逆効果になる場合もあります。
生活の中で要求吠えをする場面があり、それを注意したが効果がなく、吠えが習慣になっていったそうです。
これは、吠えを注意していた行為が、その犬にとっては『吠えて要求すれば、人が反応してくれる。』というオーディエンス効果となっていたのでしょう。
そこで、犬の要求吠えには一切声をかけないようにして、その場から人がいなくなるタイムアウト方法を取り入れていくことで、徐々に要求吠えの程度が軽減していったのだとか。
心配や同情心などでいつも犬を気にかけて見ていれば、飼い主の視線がないと不安になって、一人では待てないという犬になったり、興奮して甘噛みがひどくなる場合も…
散歩でも同じで、他犬に吠えたり、興奮して吠えたりして注意しても効果がない場合、犬にとってみると「吠えている自分を人が見てくれている・応援してくれている」と考えている可能性もあります。
まとめ
このようにオーディエンス効果は良い方向にも悪い方向にもその効果を発揮します。
日常生活や散歩の場面で、ついつい大変な行動に対処しようと意識が強くなるのですが、
落ち着いているときにやさしく撫でてあげる、
落ち着いて上手く歩いているときに声をかけたりして意識して目をかけてあげるなど、
プラスの部分を『見ること』が大切ではないでしょうか。
このブログも皆様が見てくださるので続けられています!
いつもありがとうございます!
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