犬に伝えていく上で、望ましい行動を褒めることで印象付けていくことは必要です。
じゃあ、褒めて印象付ければいいんだと、常に甲高い声で、犬をわしゃわしゃに撫でながら「よ~し、よしよしよしよしよしよしよし!」とやっていないでしょうか?
これ、逆効果になることもあるんです…。
以前、犬が尻尾を振ってくれないと伝わった気にならないと、
まさにこれをやっている方がいましたが、この犬はただただ興奮の強い犬になっていました。
そもそも、「犬が尻尾を振ってくれるまで」というのは、犬ではなくて自分の満足ですよね(汗)
なぜ逆効果になる?
この褒め方が犬に逆効果になるのは以下の3つの理由から。
①間違いを教えている
例えば、座って待つを理解させたいのに、褒める度に興奮させて立ち上がらせていると、
褒められる=立ち上がっていいということを学習させている可能性があります。
②タイミングがずれてしまう
犬に伝える上で一番大切なこととしてタイミングの重要性を以前に書きました(『犬に伝えるためにもっとも大切なこと』参照)。
出来事の直後1秒以内に伝えてあげると伝わりやすいんですが、「よ~し、よしよし・・・・・」は、
長い時間褒めすぎで、何に対して褒められたのかぼやけてしまいます。
③興奮することを学ぶ
褒めるたびに興奮させていると、人に声をかけられること、触れられると興奮するようになっていきます。
以前、実際にあった例として、
掃除機をかけると逃げる犬がいました。
落ち着いていられるように慣れさせたいということで、掃除機をつけて「よくできたね~!!!」と褒めていたということ。
しかし、「掃除機をつけたら逃げなくはなったけど、なかなか落ち着けない。すぐに動いてしまう。」ということでよくよく様子を観察してみると、
この犬が落ち着かないそぶりを示していたのは、掃除機ではなく、飼い主の言動に対してであることがわかりました。
ちゃんと通じている!
まず、「犬が尻尾を振って喜んだそぶりをしていないと通じていない…」
という思い込みを捨てましょう!
犬は人の表情から、その時の感情を読み取ることができるということが研究でも明らかになっています(ウィーン獣医大学、2015)。
つまり、何度も声をかけなくても、にっこり微笑みかけて一言伝えるだけでも通じるでしょう。
わしゃわしゃと体を撫でて興奮させなくても、落ち着いた状態を維持しながらゆっくりひと撫でしてあげるだけで十分に通じています。
そして、落ち着いて冷静な状態の方が良く伝わりますので、犬の様子を見ながら、❝興奮しない程度の褒め方❞を練習してみてください。
コメント