あるパピーウォーカーから、
「散歩のときに人ごみに連れて行って、そこでしばらく座って犬を落ち着かせて人を見せるようにしていたら、家での飛びつきも軽減してきた」というお話を聞きました。
これは、『リラックストレーニング』として提唱されている大変有効な方法です。
(デンマーク ヴィベケ・リーセ著『ドックトレーナーに必要な子犬レッスンテクニック』)
リラックストレーニング
犬がリラックスする時間を意識的に作ることで、以下の効果が期待できます。
①「いつも人にあいさつする必要はない、いつも何かに反応している必要はない」ということ犬に経験させることで、犬が自分で活動レベルをコントロールできるようになる。
②ただ座っていることは、人の時間やタイミングに合わせることになるため、自然と自制心を養うことになる。
③リラックスして落ち着いた精神でいることで、外界の刺激にも作用されにくくなり、リードを持った人とのコンタクトや集中力を養いやすくなる。
④犬とゆっくりとした時間を作ることで、犬の反応をじっくりと観察できるため、人が落ち着く余裕ができる。
人間の心と体の関係において、『気分がいいから笑うのではなく、笑っていると気分が良くなる』という人間の心と体における関係は、犬でも同じこと。
つまり、「落ち着いているから飛びつかない」という性質だけではなく、「飛びつかない状態を維持していると落ち着きやすくなる」ということも同時に言えるでしょう。
このリラックストレーニングは、もちろん全ての犬に同じような効果があるとは言い切れませんし、すぐに効果が出るような特効薬でもありません。
しかし、こつこつと積み上げたものだからこそしっかりと定着していきます。
人が落ち着くことが大切
上記のリラックスマッサージの効果の中で、
③人が落ち着く余裕ができるとあるように、
人の落ち着きは確実に犬に影響していきます。
先日、ドックマッサージを教わってきました。
マッサージと聞くと専門的なテクニックが必要と考えますが、先生曰く、「手のひらを犬に密着させてゆっくりとなでてあげるだけでマッサージになる」のだそうです。
そして、「犬へのタッチで、犬のテンションを高めることや、落ち着きを作ることができる。」ともおっしゃっていました。
つまり、犬のテンションを上げたいときには背中や脇をポンポンと愛撫する。逆に、犬に落ち着いてほしい時には意識してゆっくりなでてあげるとよいということでした。
以下が良いマッサージのポイント3か条です。
①なでるスピードは普段の2~3倍遅くなでる。
②犬のテンションに合わせず「無」の気持ちでなで続ける。
③尾の先から足指の先までなでることで犬に体の末端を意識させる。
落ち着いた犬に育てる極意が詰まっている感じしませんか?
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