先日3ヶ月齢のパピーを飼育する方からご相談を受けました。
「散歩がスタートしたので、始めが肝心ということで、さっそくリーダーウォークをやっているのですがあまり効果がなく…。最近はリーダーウォークをすると私の足に咬みついてくるようになりました。どうしたらいいでしょう…」というもの。
今回はなぜリーダーウォークがうまくいかないのか考えてみましょう。
リーダーウォークとは?
まず、❝リーダーウォーク❞とは何ぞや?という方もいるかと思います。
これは引っ張らずに散歩することを教える方法としてよく紹介されているものです。
犬が行きたい方向ではなく、人が行きたい方向にリードしていくというもの。
具体的には、犬が行きたい方向を主張してリードを引っ張ろうとしたら、犬とは反対の方向に向きを変えて歩き始めます。
これを繰り返していくと、徐々に人に合わせようという意識がついてきて引っ張りが軽減されるという流れです。
どうしてうまくいかなかった?
では、どうしてこのリーダーウォークをすると咬みついてくるようになったのでしょう?
その結論は、正解がわかっていないから
人に合わせて歩けば正解を伝えたつもりが、
パピーにしてみると『行きたい方向に行っちゃダメ!』と言われている印象が強くなり、
フラストレーションが溜まって足に咬みつくようになったのでしょう。
ワレンダ要因
達成しやすい目標の立て方としてワレンダ要因という心理学的な効果があります。
これは、天才綱渡り師のカール・ワレンダ(1905ー1978)にちなんでつけられたもの。
彼は何千回もの綱渡りを成功させましたが、
73歳で挑戦した綱渡りで失敗して命を落としました。
家族の証言によると、本来楽観的であった彼が、
その挑戦の時には3か月前から「綱から落ちないようにすること」を考えていたのだそう。
このことから、目標を立てる上で、
❝○○しない❞目標ではなく、
❝○○する❞という目標にすると達成しやすいという心理学効果が導かれました。
このワレンダ要因をリーダーウォークで足に咬みつくようになったパピーに当てはめると、
リーダーウォークでは❝しない目標❞になっていたのでしょう。
人はついて歩くことを教えたかったのが、
パピーにしてみると、これをしちゃダメ!あれをしちゃダメ!の印象が強くなり、
何をしていいのかが(❝する目標❞)わからなかったので、
うまくいかなかったと推察します。
❝する目標❞を伝える
では、パピーにお散歩で伝えたい❝する目標❞は何でしょうか?
私は、人とコンタクトを保って歩くことに設定していきます。
普段から、アイコンタクトを教えて、
歩くときにもコンタクトをとることにつなげていきます。
アイコンタクトを維持するというGood行動を強く印象付けることで、
拾い食いや引っ張りといった行動はおのずと軽減していくことになります。
アイコンタクト歩行の様子(3ヶ月齢パピー)をアップしてみましたので観てみてください!
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