先日、「犬に利き腕はありますか?」というご質問がありました。
結論から言いますと、犬に利き腕はあります。
大学生の時に馬術部に入部し、4年間馬に乗っていましたが、馬にも利き足がありました(馬は右利きと左利きの割合は半々です)。
馬や犬のように、走るときにどちらかの足を前に出して走る動物は利き足が出やすいのだとか。
そしてこの利き腕については、犬の性格とも関係しているといった研究発表があります。
今回は利き腕について深堀りしてみます。
あなたの犬は右利き?左利き?
人間は9割が右利きで、左利きは1割くらいなんだとか。
では犬はどうなんでしょう?
犬は約6割が右利きなんだそうです(2021年アメリカ)。
犬の利き腕の調べ方は簡単で、
お手をさせた時に先に出す腕、または止まった状態から1歩目を踏み出す時に、先に差し出す足が利き腕と言われています。
利き腕と身体特徴
北海道盲導犬協会では、盲導犬を左右にスイッチしながら歩きます。
つまり、環境に合わせて、盲導犬を人の右側で歩かせたり、左側で歩かせたりという方法をとっています。
すると、なかにはどちらか一方側だけ歩き方が妙にぎこちなくなったり、
盲導犬の作業精度が右と左で変わる犬もおり、
これも利き腕が原因になっている場合もあるでしょう。
さらに、面白いのが利き腕は性格と関係しているとも言われています。
利き腕と性格
犬は、右脳を使っているときにはネガティブな思考をするときで、
ポジティブなことは左脳で処理していることがわかっています。
右脳は左半身と、そして左脳は右半身と関連していますので、
右利きの犬はポジティブ思考で、左利きの犬はネガティブ思考だと言われています。
では、「9割が右利きの人間は、ポジティブ人間ばかりになるじゃないか!?」となりますが、
人間の場合は、文字や言葉という言語を使うために左脳を働かせる必要があり、
おのずと右利きの割合が多くなるのだとか。
盲導犬に向いているのは右利き
オーストラリアで、利き腕と盲導犬の合格率との関連を調べた研究結果があります。
それによると、右利きと両利きの犬は60%が盲導犬として合格し、
左利きの犬の合格率は30%でした。
「盲導犬はポジティブな犬の方が向いているからこういった結果になっているのだろう」
と結論付けられていました。
ちなみに、❝つむじ❞によっても盲導犬の合格率が違うという研究もあります。
イギリスで調べられたもので、胸のところにあるつむじが左巻きの方が合格率が高いのだとか。
つむじの巻き方と犬の稟性の関係性は定かではありませんが、
二つの研究を組み合わせると、
右利きで左巻きつむじの犬が盲導犬の素質として最強
ということになりますね。
まとめ
わたしはこの手の研究には全く興味がありません…
というのも、国によって求められる犬が違います。
歩行環境や年齢層の違いなどによって、日本ではどちらかというとややネガティブで慎重に考える犬の方が盲導犬として求められる傾向があります。
そもそも、右手だからネガティブで左手だからポジティブというのもちょっと強引すぎませんか?
よく、『ブラックの毛色のラブラドールは我がまま』などの理由で、
ブラックを避ける方がいるのですが、これも全く根拠のない話。
利き腕や見た目で性格まで特徴づけて結論付けてしまうのは本当に相手を理解する上では邪魔なフィルターとなります。
やはり、見た目ではなく、1頭1頭を丁寧に見ていきましょう!
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