呼び戻しは、犬の安全を確保したりする上でもぜひ犬に教えたい行動の一つ。
でも、「幼少期は呼んだら尻尾をふって一目散に来てくれていたのに、5ヶ月齢位から呼んでもすぐに来なくなった…。来ても嬉しそうじゃない…。」
このようなご相談を受ける場合が多くあります。
呼び戻しがきかなくなる理由は、2つ。
①不安…
②つまらないし…
以下で、この2パターンについて考えてみます。
①不安になっていない?
呼んでも来ない理由の一つが、呼ばれるのが嫌ということ。
「呼んでいったら叱られた…」という経験を繰り返すと、当然呼ばれるのが嫌になりますよね。
しかも、こういう場合の❝叱る❞は、たいがいタイミングを逸しているので、
どうして叱られているのかわからず悪循環です。
また、触れられるなどの身体的な接触に不安を感じているなら、
呼ばれることは嫌なことになるでしょう。
来ても触れられるところまでは来ないという犬もこれが原因かもしれません。
まずは❝触れること=安心❞を作っていく必要があります。
②つまらないし…
一番多い理由がこれではないでしょうか。
例えば、拾い食いや臭いかぎをしているのを呼んで止めさせたり、
犬と遊んでいるのを呼んでやめさせたり…
ということをついついやってしまうのですが、
これを繰り返していると、犬は『呼ばれたら楽しいことが中断する』と学習します。
したがって、「呼ばれること=いいこと」をとことん結び付けていく必要があります。
呼ばれたら嬉しい!
まずは、『呼ばれて行ったらいい思いをした』という経験を作ります。
具体的には、呼んでトリーツを与える、来たら一緒に遊ぶなどが考えられます。
また、楽しんでいることを呼び戻して終わるのではなく、
呼び戻しの後に楽しいことがあるという状況を作ることも効果的。
例えば、散歩に行きたいという時には出る前に呼び戻してからスタートする。
公園に行きたいのであれば、公園に入る前に呼び戻してから公園に入る。
人にあいさつしたいのであれば呼び戻してから挨拶する。
などなど、『食事の前には座って待つ』のと同じ原理で、
呼び戻しに反応すれば、次に嬉しいことがあるというようにしていくといいでしょう。
まとめ
犬が呼ばれても来ないことを、
『わがままだから』と理由づける方もいますが、
これは犬のせいにしていてまったく理由になっていません。
また、『思春期だから』と発達のせいにするのも違います。
確かに、人間と同じく思春期の時期には幼少期のような素直な反応はなくなっていきますが、
だからこそ繰り返し呼び戻しの練習をしていく必要があるでしょう。
実際に、呼ばれることといいことを結びつけて練習して、
「犬が10歳になってから呼び戻しを練習して来るようになった!」という方もいました!
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