変化に強い心を育む

犬との向き合い方

私の住む札幌では残暑が和らぎ、ようやく過ごしやすい季節になってきました。

夏が終わる切なさを感じる一方で、

子供たちの夏休みが終わり、ホッと一息ついている今日この頃です。

この時期、パピーの行動についてよく耳にするのが、

「落ち着いてたのに吠えるようになった」

「いたずらが始まった…」

「おしっこを漏らすように…」

といったお悩みです。

せっかく安定してきていたと思ったのに、どうして逆戻りしてしまったのかと戸惑いますよね。

行動に影響する環境の変化

その原因は、夏休み中の家庭環境の変化にある可能性大です。

夏休みは、

お子さんが家にいる時間が増え、それに伴って寝起きや食事の時間が不規則になりがちです。

家族旅行で初めての場所に連れて行ったり、普段会わない親戚や友人が遊びに来たりすることもあったでしょう。

子犬にとっては、これらの変化はすべてが新鮮で刺激的です。

いつも以上にたくさん遊んでもらい、

色々な人に会って、

初めての場所を経験し、

家族との時間も増えて、

満たされた毎日を過ごしていたはずです。

しかし、夏休みが終わると、

それまでの刺激的な日々が一転し、元の生活リズムに戻ります。

パピーは「夏休みが終わったから、自分も切り替えよう!」とは考えません。

あれほど注目を浴びていたのに、

急にそのすべてがなくなったと感じ、

不安や寂しさを覚え、「吠える」「いたずらする」「お漏らしする」といった行動の変化として現れます。

つまり、パピーは環境の変化に合わせて様々に学習しているということになります。

「変化に対応できる心」

「じゃあ、変化がない生活のほうがパピーにとってストレスにならないのでは?」と思うかもしれません。

しかし、全く変化がない生活を提供するのは無理な話で、変化しても動じない強さを持っていた方が良いでしょう。

私のいう「動じない」とは、どんな状況でも全く感情が揺れないということではありません。

たとえ気持ちや行動が変化しても、また元の落ち着いた状態に戻れる心の柔軟性のことです。

ですから、夏休みなどで家族の生活リズムが変わってストレスがかかったけれど、また行動が落ち着いてきたという経験をしていくことは、むしろパピーにとって良いトレーニングになります。

無事是貴人(動じない心)

では、「一時的に逆戻りした行動をどうやって落ち着かせるの?」という話になりますよね。

私はこう言った時に飼い主の皆様にお伝えするのは、「子犬の行動が変化しても慌てて犬に合わせようとせずに(どうか動じずに)、これまで通り淡々と生活を送ってください。」とお伝えしています。

確かに、パピーは環境の変化に影響を受けて行動が変化しました。

しかし、犬にとって一番影響のある環境要因は人(飼い主)です。

きっとパピーたちは、皆さんの動じない落ち着いた姿勢に影響を受け、また元の落ち着きを取り戻していくでしょう!

変化を楽しもう!

これからも、初めての場所や久しぶりの場所に行けば興奮するかもしれません。

秋の枯葉舞う季節や冬になって雪が降れば興奮すること間違いなし!

冬休みやお正月などで家庭のリズムも変わるでしょう。

その度に、パピーの行動はなんらかの変化があるはずです。

変化があるたびに「またか…」とがっかりする必要はなし!

刺激に反応して、人を見てまた落ち着くことを繰り返していくことで、子犬はどんな環境にも順応できる心を育んでいき、徐々に変化に動じなくなっていきます。

環境変化で行動が変わるということは成長しているということ。

パピーが変化した時には、『無事是貴人(何にも動じない心を持つ人)』を演じて過ごして、パピーの成長を楽しんでいきましょう!

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