先日、蜂に刺されて、アナフィラキシーショックを起こし、
危ない状態になったパピーがいました。
アナフィラキシーは人も犬も注意が必要。
ということで、今回は経過などを皆様にシェアしたいと思います。
経過
4ヶ月になるパピーを庭でフリーランさせていました。
庭に生えている草の臭い取りをしていたところ、
急に顔を背けた行動があり、「何かな?」と確認したところ、ミツバチが飛んでいました。
ミツバチに驚いたのか、刺されたのかはわからなかったのですが、
数十秒後に呼びかけにも反応しなくなり、さらに脱糞。
「さすがにこれはおかしい(焦)」と動物病院に連絡をして緊急で通院。
車で連れていく途中で、脱糞と嘔吐を繰り返して、
病院についた時には意識が朦朧となっている状態だったようです。
病院で詳しく検査した結果、
血圧が大きく低下して、意識障害が起きており、
蜂に刺されたことによるアナフィラキシ―ショック
という診断でした。
『覚悟してください…』
動物病院の懸命な処置にもかかわらず、
なかなか血圧も戻らず、
動物病院からは『今が山。できることは全部やっているが、血圧が回復しない。このまま回復しなければ助けられないかもしれない。』
ということで、覚悟もしなければという状態でした。
しかし、懸命な治療のおかげで、徐々に血圧も回復して意識も戻り、
数日後には無事に退院となりました。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーとは、アレルギーの原因となる食べ物や薬を体内に取り入れたり、蜂に刺されるなどして毒素を体内に取り込むことで、様々なアレルギー反応による症状が現れることを指します。
アナフィラキシーを発症すると、皮膚のかゆみや蕁麻疹、唇の腫れなどの他、
短時間で意識を失い、血圧の低下、呼吸困難を引き起こすといった重い症状もあるようで、
まさに今回のケースはこの重い症状にあたりました。
ちなみに、動物病院の先生は、「開業以来、蜂に対してこんなにはっきりと反応が出た症状は初めて見た」ということでした。
私も400頭近くのパピーの成長を見てきましたが、初めてのケースでした。
まとめ
ここまでの重いショック症状は確かに珍しいケースなのかもしれませんが、
改めて思い返すと、偶然で片付けてはいけない事項もありました。
① 刺されたパピーがまだ4ヶ月齢と若齢であったこと(体重13㎏程度)。
② 3ヶ月齢時に摂取した8種混合ワクチンで、顔が腫れるなどの副反応がありましたので、もともとアレルゲンに反応しやすい体質であった可能性があります。
③ このパピーは毛色がブラックなので、蜂から攻撃されやすい可能性があります。
特に②は、ワクチン接種時にわかることです。
もし今後も、ワクチン接種によりアレルギー反応を示したパピーがいた場合は、
アナフィラキシーに注意が必要ということになります。
また、4ヶ月齢時のワクチンは念のためワクチンの種類を変えて打つ予定です。
さらに、蜂が集まらないように、庭の草花を刈り取る処置もしていただきました。
今回は飼い主の方も早く対応してくださり、
パピーも無事に回復したので本当によかった。
しかし、日本ではアレルギー疾患は人でも犬でも増えてきていると言われており(厚生労働省&アニコム)、またこれから蜂が増える季節でもあります。
もしもの時のために、皆様にとって有益な情報になると嬉しいです。
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