最近読んでいた本で、「ブラック企業」と「ゆるブラック企業」について書かれてありました。
今回はこれを読みながら思考したことをアウトプットします。
ブラック企業とゆるブラック企業
まず初めに、ブラックとゆるブラックとは何ぞやを簡単に。
ブラック企業は長時間労働や低賃金が常態化し、精神的・肉体的負担が大きい企業です。違法行為やパワハラが問題視され、離職率も高い傾向があります。
ゆるブラック企業はそこまで過酷ではないものの、給与が低めで昇給が少なく、成長の機会が限られる点が特徴です。業務負荷は軽いものの、キャリア形成には不安が伴います。
ブラック企業は減っているが…
働き方改革の推進や若者世代の意識変化により、労働環境の改善が進んでいます。
また、暴力行為やパワハラがあれば表面化されやすい世の中になっており、ブラック企業は徐々に減ってきています。
一方で、ハラスメントで訴えられないようとにがんじがらめになった管理職が、社員の顔色をうかがって何も言わないゆるい組織を作ることで(ゆるブラック企業)、成長したい人ややりがいを感じない人は組織を離れ、組織が仕事をしないわがまま社員の溜まり場になるという職場が増えてきているのだとか…。
犬との付き合い方も似ている
この「ブラック」から『ゆるブラック』への振れ方が、人と犬との関係性の変遷と同じだなぁと感じました。
【ブラック時代】
つい最近までは、オオカミが先祖の犬と付き合うには絶対的なボスになることが必要で、「犬になめられてはダメ」という考え方が主流でした(今でも根強くこの考えに縛られている人もいるかな…)。
その考えから、「人が先にご飯を食べる必要がある」、「人の顔の高さ以上に持ち上げると犬がリーダーと勘違いする」、「仰向けになっておなかを見せた方が負け(犬を仰向けにしたほうが良い)」、「散歩で前を歩くのは犬がリーダーと思っているから」などの考え方や方法が広がって、ドックトレーナーの中には「犬には厳しくしかることも必要」という人もいました。
ドックトレーナの中にはとかいう他人行儀な書き方をしましたが、実際に私もこの考え方にどっぷりで、訓練の際は随分ときつい当たり方もしたものです(ざんげ)。
犬の飼育の仕方も、基本的に外で鎖につながれて飼育され、ご飯は人の食べ物の残りで(残飯)、主な役割は番犬という時代でしたよね。
【ゆるブラック時代へ】
しかし、最近の犬事情を見ていると、犬との付き合い方に対する考え方が劇的に変わってきたなと思います。
犬は家族の一員で、外で飼育されている犬を見つける方が難しいですよね。人以上に高い服を何着も買い与える人もいるし、値段が上がったと毎日ニュースになっているお米以上に高いドックフードも市販されています。
犬との関係が改善されてきたいい部分がある反面、逆に「叱っちゃダメ」「ノーは使わない!」ことが正しいという極端な振れ方をしていて、明らかに犬がわがままを示しているのに注意しないので、結局は誰にも手に負えなくなっているという犬を見かけることもあります。
極端に振れるのは必要なこと
組織も犬との付き合い方も、「どうしてこうも極端に振れるかな…」と思ってしまうのですが、人(もちろん私自身も)は最初から適度なものを作るのは難しいのでしょう。
熱いサウナで汗をだらだらと流してから、冷たい水風呂できゅっと血管をしめることで、❝ととのう❞という状態になっていくように、どっちか極端に振れるからこそ、ちょうどよいものを生み出していくのかもしれません。
世代で見ていくと、
「24時間戦えますか♪」のCMをテレビで観ていた団塊ジュニア世代(50代以上/ブラック上等!)と、ゆとり教育を受けてきた世代(30代中盤から40代前半/ゆるブラック好き)が極端に振れた世代としたら、今のZ世代は逆に言うべきことは言ってほしいという考え方の人も多く、整っている世代なのではないでしょうか(私の感覚です)。
ということで、犬との関係についても、今はゆるブラック時代全盛期ですが、これから『ととのった状態』の人たちが増えていくのではと楽観的に考えています。
時代は繰り返す
ただ、せっかくサウナと水風呂でととのってもその状態は長く続きません。
またととのうために熱いサウナに入り直す必要があるのと同じように、組織や犬との関係の整った状態を維持できないのもまた人ですよね。
季節も春夏秋冬を常に繰り返していくように、人の組織も犬との関係性もこれからも常に変化し続けていくのでしょう。
変化しながら整っていくのを繰り返すと考えれば、世代間や個人の価値観の違いは必要なことで、すべてが必然ということ。
うまくまとまりましたので、今日はここまでにします。
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