パピーが家の中で先住犬とよく遊んだり、
ドックランで他の犬とよく遊ぶというような場面があるかと思います。
「よく飽きずに毎日遊ぶな…」と思われるかもしれませんが、
実は、これには❝飼い主の注目❞が影響している可能性があるんです。
オーディエンス効果
誰かの注目があるとパフォーマンスが上がることを❝オーディエンス効果❞と言います。
実際に、子供がしていることに親が関心や興味を示している場合、
そうではないときに比べると4倍も長く取り組んでいるという実験結果があります。
このオーディエンス効果は、人以外でも確認されており(マウス、ヤギ、魚など)、
犬同士が遊ぶのも、飼い主の注目が影響しているのではないかという実験が行われました。
その結果、飼い主が不在の時や飼い主が注目していないときよりも、
飼い主が注目しているときの方が断然に遊ぶ時間が長い
ということが示されました(アメリカ マンモス大学、2021)。
つまり、「よく飽きずに遊ぶなぁ…」と呆れてながら見ていることが、
逆に遊びを促している可能性があるということになります。
どうして人の注目が犬同士の遊びを促進している?
では、なぜ飼い主の注目が遊びを促進しているのか不思議ですが、
その理由についてはよくわかっていません。
他の犬と遊ぶことで飼い主から注目を浴びることが嬉しいので、
さらに遊びが促進されているのかもしれません。
もしくは、飼い主がいることの安心感から羽目を外して遊んでいるのでしょうか。
同じような事例で、
「リードにつながれているときだけ相手の犬に強気になって吠えるんです…」
という話を聞くことがありますが、
これも、つながれているリードを通して飼い主の存在を感じていることで、
フリーの時とは違う行動をしているんでしょうね。
注目による抑制効果
では、飼い主の注目は、すべてオーディエンス効果になるのかというと、
そういうわけではありません。
例えば、盲導犬の訓練に入っていて犬舎で生活している犬達は、
排泄の時間に数頭で一緒にトイレに出すことがありますが、
職員の注目があるときには真面目に排泄をすることに集中しています。
でも、ひとたび職員が目を離すと、途端に犬同士で遊び始めるという場面があります。
これは、人の注目が抑制効果になっている例ですよね。
まとめ
上記の流れをまとめると、
犬は人がどういう想いで注目しているのかをよくわかっている
ということになります。
我々が思っている以上に、犬は我々の感情をよく察しているんだろうなと思います。
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