元プロ野球選手(日本代表経験の一流選手です!)が自身のYouTube番組で、
『野球が下手な人は遅い』と表現していました。
その選手は、一つの場面で20通りくらいのことを頭で想定しておくそうです。
なので、状況に対して体が速く正確に動くことができる。
でも、プロ野球選手の中にも何も考えないで、事が起きてからどうすればいいか考える選手もいるそうで、「次のプレーをどれだけ想定しているかどうかで、一流か二流の差がつく」とおっしゃっていました。
これは、犬育てにもそのまま通じる話で、
犬育てがうまい人は、犬の行動を予測する力の高い人だと考えています。
予測して付き合う例
トイレがうまくしつける人は、犬がしそうなタイミングをつかんでトイレまで促せる人。
逆に、なかなかトイレのしつけが進まない人は、犬がしそうなタイミングを見逃して、失敗してしまうことを何度も繰り返してしまいます。
タイミングを予測してトイレに連れていくことで、トイレの成功確率が高くなり、褒めることもできるのでお互いの関係もよくなり、ますます犬も人の指示を覚えようとするという好循環になっていきます。
また、先日保定の練習をしましたが、私が保定をすると犬は落ち着いているのに、
飼い主の方に代わるとじっとしていられずなかなかうまくいきません。
これは、犬の保定姿勢が崩れてしまってから修正することを繰り返していたことが原因でした。
そこで、犬が動いてからではなく、動きそうな微細な動きを示した段階で、じっとしていることをサポートするように意識して練習していくと、大きく改善していきました。
保定から外れてしまった状態が10だとすると、
10になるまで待ってから保定をし直すのではなく、
1~3の小さな段階で対処するイメージです。
1~3の小さな段階で対処することで、無駄な力勝負をする必要がなくなります。
他にも、「犬が興奮すると甘噛みや吠えが強くなるので、興奮したらタイムアウトをして、落ち着くまでケージに入れる方法をとっていた。すると今度は、ケージに入れようとすると抵抗するようになった・・・どうしたらいいでしょう・・・」
というご相談をいただきました。
皆様ならどう考えるでしょうか?
確かにヒートアップして大変な時にはタイムアウトも一つの方法です。
ただし、ヒートアップしてしまってからケージに入れるのであれば、
それは犬にとってケージがお仕置き部屋になってしまう可能性大です。
当然、ケージに入りたくないという気持ちになるでしょう。
そこで、ヒートアップする前の段階でケージに入れてクールダウンの時間をとってみることをお勧めして改善していきました。
最近あった3つの例を挙げましたが、
予測して事前に対応するという考え方は、その他の問題行動対策(吠えや引っ張り、飛びつき、拾い食いなどなど)においてもとても有効です。
予想力を身に着ける
ではどうしたら予想力が身に付くでしょうか?
まず一つは、当然経験が必要になってきます。
だからこそ、『まず動け!』『考えるよりもすぐに行動しろ!』など、
なによりも動いて経験をしていくことが大切という主張の本もたくさん出ていますよね。
でも、経験を繰り返しても全く変わらない人って皆様の周りにもいないでしょうか?
車の運転に対して、想定力が弱い人が運転する車に乗ったことがありますが、
信号などを想定することがなく急ブレーキを連発するわ、
無駄な車線変更でクラクションを鳴らされるわ、
道順も何となくで道に迷うわでした…(二度と乗りません…学習)
したがって、「考える前に動いて経験しろ!」ではなく、
『想定してながら動いて経験しろ!』が私の答えです。
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