犬を育てていく上で、罰を与えて教えることは、マイナスな側面が多くあり、ブログの中でもその危険性について取り上げてきました(それでもあなたは罰を与えますか?Part1、Part2参照)。
ではその反対に、❞褒めて育てる❞のがいいのでしょうか??
結論から言うと、
犬育てのうまい人の付き合い方を見ているとあまり褒めていません。
正確に言うと、いつまでも褒めていないんです。
❝褒める❞ことも適度なバランスが必要で、いつまでも相手を褒めている行為はマイナスになっている可能性があります。
褒めすぎることのマイナス面
では、犬が指示に従ってくれたことに対して、『頑張ったね!』、『よくできたね!』と毎回ほめることの何がマイナスなのでしょうか?
⓵褒められることに慣れて効果が薄くなる
少し話はそれますが、先日伺ったエピソード。
普段は、単身赴任で週末に帰ってくるご主人。パピーは喜んで興奮してご主人を迎えていました。
でも、この冬の間は家から通勤するため、ご主人が毎日帰宅するようになったところ…
今では帰ってきても寝たままでちらっと目くばせするだけになったのだとか。
「主人はたまに帰ってくるくらいがちょうどいい」という、人間の夫婦間でもよく耳にする話。
それにしても、パピーの態度はあからさますぎですよね(笑)
同じように、毎回褒められることで、それが当たり前になっていき、褒めることの価値が下がっていきます。褒めても心に響かなくなるんですね。
②❝頑張る必要があること❞を暗示している
人間同士でも誉め言葉でよく使われる「頑張ったね!」
これは、行動するためには頑張る必要があるということを暗に示唆していることになります。
行動してほしいことは、頑張る必要のある特別なことなので、褒めて動かす必要があるんです。
③上下関係を作る
褒めるという行為は、上の者から行う行為であり、上下関係の関係性を作り出します(これもそのつもりはないかもしれませんが…)。
つまり、いつまでも大げさに褒めるということは、相手のことを下に置き、それを求めていること暗に伝えていることになります。
うちの5歳の息子は絵を描くのが好きで、暇さえあれば絵を描いているため、やはり絵もうまくなっていくのがよくわかります。
親としてはそれが嬉しくて、ある日「今日の絵もうまいね~」と褒めたところ、『俺的には全然よくない』と全く響きませんでした。
彼の中での❝うまい❞の基準が上がっていたことに気が付かず低いレベルの状態を褒めてしまったという失敗談です。
例:家でお留守番をする
❝お留守番❞を教えるという例で、褒めることが逆効果になることをイメージしていきましょう。
❝お留守番❞のためには一人で待てる自立心を育んでいく必要があります。
しかし、家を出る時に、「行ってくるからね、頑張って待っているんだよ!」
そして、帰ってきたら「よく待っていたね!すごいね!」と犬をよく褒めてあげるという対応。
これは、犬の立場から考えてみると、「出かけちゃうの!?」「早く帰ってきて褒めてほしい!(待ち遠しい)」という依存する意識を植え付けることになり、逆にお留守番が苦手になっていく可能性があります。
基準を上げていこう!
じゃあ、どうしたらいいの??を解説します。
犬を育てるのがうまい人は褒めるのですが、その基準をどんどんと上げていきます。
ある程度覚えた行動については、同じレベルでいちいち褒めることはしないんです。
『そんなのあなたは当たり前にできるよね。』という意識で相手と向き合うんですね。
そして、その持続時間を長くしたり精度の高いものを求めて、レベルアップした行動ができたことを認めていくようにしていきます。
先のお留守番の例で言えば、出かける前に声をかけることもありません。
また、帰ってきてからも特に褒めることもなく、お留守番という行為を特別にしないように、当たり前のものとして付き合うように配慮していきます。
まとめ
日常生活で教えている行動は、徐々にレベルアップしていちいちほめる必要がないくらい当たり前にしていくとよいでしょう。
それが本当に相手のためですし、相手を❝信頼できる対等の個として認める❞という横の関係を作ることにもなります!(いぬ育てがうまい人の特徴~横の関係を作る~ 参照)
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