北海道盲導犬協会では毎年50頭くらいの盲導犬候補犬を産ませていますが、
すべての犬を訓練するわけではありません。
1歳になるまでパピーウォーカーのもとで育ててもらい、
1歳になったら盲導犬に向いているかどうかの評価をして、
合格した犬を盲導犬目指して訓練していきます。
2:6:2の法則
この事前の評価の時点で、
「この犬は盲導犬になるな!」とわかるのはたったの2割くらい。
この2割の犬は、訓練をする前でも盲導犬として活躍しているイメージが湧きますし、
やはり、この2割の犬は訓練をしていくと高確率で盲導犬になっていきます。
でも、約6割の犬が白黒はっきりつけられないグレーゾーンで、
「訓練をしてみないとわからない…」という判断になります。
「プロが評価しても盲導犬になりそうな犬は2割しかわからないの??」
「6割もグレーゾーンという判断の評価って正しい評価なの??」
と怒られそうですが、これは一つの真理に沿っているなと考えています。
それが、❝2:6:2の法則❞
2:6:2の法則とは、働きアリの集団でも見られることで有名です。
働きアリの中で積極的に食料を集めるために働くのは全体の2割で、
6割は普通に働き、残りの2割はさぼっているというもの。
面白いのは、怠けている2割のありを排除しても、
結局また組織の中で2:6:2に別れるようになるのだそう。
この法則は、人が組織を形成するときも同じで、
優秀な2割、平均的な6割、貢献度の低い2割で構成されるようになるのだとか。
(私はどこに位置している…)
また、人間関係においても、
自分に好意的なのは2割で、どちらでもない人が6割、好意的ではない人が2割となるなど、様々な場面で応用できる法則のようです。
私は人間関係において、❝嫌われたくない❞と振舞いがち(ざんげ)。
でも、どんなに好かれようとしても、
6割の人は私には関心がなく、2割には嫌われると考えれば、
相手や世間体などに迎合せず、自分らしくあればいいと気持ちが楽になります。
(このブログを常時読んでくれているのも、たぶん全体の2割弱くらいの方々ですね!いつもありがとうございます!)
世の中では善悪や良い悪いの白黒で対立を煽ったりする場面が目立ちます。
相手を論破して白黒つける人に「説得力があるなぁ」と
すぐに感化されたりもしてしまうのですが、
白黒判断つけられないグレーゾーンがたくさんあるのが当然だと思うんです。
グレーな状態でいる自分に自信を持っていいんです!(私自身に言ってます)
心理はグレーゾーンにあり!
このグレーゾーンについての感覚をわかりやすく表現されているのが、
日本を代表する昭和の政治家である田中角栄氏の以下の言葉。
『世の中は白と黒ばかりではない。敵と味方ばかりではない。その間の中間帯、グレーゾーンが一番広い。そこを取り込めなくてどうする。真理は常に中間にあり!』
この言葉は、犬の評価や訓練にもそのまま当てはまる言葉です。
犬はいいか悪いか白黒つけられるものばかりではなく、その中間に位置するグレーゾーンの犬が一番多いんです。
私の仕事は、グレーゾーンの犬達に対して育児や訓練を通して、
少しでもグレーの色が薄くなるようにしていくこと、
成長の過程でグレーの色が濃くならないように見守っていくことだと考えています。
それにしても、2:6:2の法則の真理を
ズバッとわかりやすく表現している田中角栄さん、
さすが、2割の超一流の政治家ですね!
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