犬×心理学:ツァイガルニク効果

習性など

 「遊びにすぐ飽きてしまう…」

「トレーニングを始めたら、途中で集中力が切れてしまう…」

「呼んでも来なくなった…」

パピーの飼育指導をしている中ではこうしたご相談をお受けすることがあります。

せっかく一緒に遊んだりトレーニングをしていても、犬が興味を失ってしまうと、人の方もつまらなくなりますよね。

しかし、この問題には、今回ご紹介する“ツァイガルニク効果”を意識して接すれば、「もっとやりたい!」という気持ちを育んでいけるかもしれません。

ツァイガルニク効果って?

“ツァイガルニク効果”とは、「人は達成できなかったこと、中断されたことの方が、達成できたことよりも記憶に残りやすい」という心理的な現象のこと。

人の脳は「未完了のタスクはまだ終わっていないから、いつでも再開できるようにしておこう」と判断するため、注意が向けられ続けるのだとか。

テレビを見ていると『続きはCMの後で』というテロップが流れますが、これもいい場面でCMをはさむことで、ますます物語の続きが気になるという心理効果を期待したものです。

私は最近になってNETFLIXに加入してドラマを観るようになりましたが、「続きが気になる~」というちょうどいい所で終わって次のエピソードになるので、続けて観たくなってしまい、気が付くと夜更かしちゃっています。

また、やり手のナンパ師は、ナンパした女性が心を許して「もっと話したい!」となったところで、あえて『今日はこれで帰らなきゃダメなんだ。』とその場を終わらせて、連絡先を聞いて別れるのだとか。途中でその場を切り上げられた女性は、ナンパ師のことが気になるようになり、徐々に求める方が逆転していくように導いていくのだとか。

(#ツァイガルニク効果恐るべし!)

(#「見えそうで見えない!」というチラリズムも同じ効果か!?)

犬と接することに応用する

この心理は犬にも当てはまります。

犬もまた、何かを「やりかけ」の状態にされると、「もっと続きをやりたい!」という興味や期待を抱きやすくなるのです。

この性質を上手に利用することで、犬の飽きをなくし、意欲を引き出すことができるようになります。

重要なのは、犬が「もっと遊びたい!」「もっと指示してほしい!」という意欲を保っているうちに、あえて中断することです。

(#ナンパ師の荒業!)

これにより、犬の脳には遊びやトレーニングが未完了のタスクとして記憶され、この未完了の欲求が、次のトレーニングへの期待感や集中力を持続させる原動力となるのです。

また、この方法はもう一つの大きなメリットがあります。

それは、必ず成功体験で終われることです。

成功体験を繰り返すことの学習効果は改めて言うまでもないでしょう。

ツァイガルニク効果を利用したトレーニングでは、犬が「できた!」という最高の成功体験状態で終わらせることができることで、学習効果も飛躍的に高まります。 

ツァイガルニク効果の注意点

中断されたことや欠けた部分に意識が向くというツァイガルニク効果の性質から、人はどうしても犬の「できないこと」「失敗したこと」に目が行きがち。

犬と遊んでいたり、何かを教えているときも、ついつい「もっとこうしてほしいなぁ」という所に目がいってしまい、そこを修正しようとすることで、知らず知らず犬にプレッシャーを与えていく可能性もあるでしょう。

まとめ

出来てきている部分・成長している部分に目を向けて認めてあげること。

そして、犬が「もっとやりたい!」というところで「続きは次回のお楽しみ!」と終わらせること。

これが、犬の意欲や学習効果を高めることとなり、犬との遊びやトレーニングもさらに楽しいものになっていくでしょう!

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