今回はいい訓練士と悪い訓練士の違いについて考えた第二弾です。
「若いうちは数だ!」は本当?
仕事においては、それぞれの年代で武器にする優先が変わるよと言われるのを目にします。
例えば、西野亮廣さんは、20代は体力、30代は技術力、40代は人脈、50代は健康、60代はユーモアとまとめられていました。
#キングコング西野さん大好き野郎です
経験も技術力もない20代が優位なのは体力面であり、「効率とかを考える前にまずは数をやれ!」ということ。
これには私も大賛成で、今は20代から「無駄なことはしたくない」とか、「やり方を教えてくれない」とか、「プライベート重視」とかいう方も多くいますが、仕事で卓越していきたいなら、やはり若いうちはとにかく打席に多くたって、失敗を繰り返して自分で技術力をつけていくことが必要だと思うんです(昭和のおっちゃん?)。
自分のことを振り返っても、とにかく訓練の頭数をやらせてもらえたし、自分でいろいろなことを試して失敗もしてきました。
その経験が30~40代に指導員として盲導犬ユーザーに盲導犬の歩行指導をする中で生きていましたし、今のパピー担当でもいろいろなパピーに対応する力になっているという自負があります。
しかし、上の立場になって年数を重ねてくる人たちを見ていると、「数をやれ」だけでは、自分で考えて応用していけるまでの自立レベル(ハイパフォーマー人材)にはいたっていないなぁと考えるようになりました。
足りないものは何か…?
同じ数をやってきても、ハイパフォーマーになる人もいれば、そこそこで止まっている人もいる。
何が違うのか…?と比較すると、一言でいうと『考える力』です。
ハイパフォーマーとなる人は、一つのやり方といった具象を、どの原理原則に由来しているのかという抽象に落とし込んで考える力がある。
だから、原理原則をもとにやり方を自分で変化させていける。
経験すればするほどに、相手に合わせてやり方を変えていける柔軟性がみについていきます。
一方で、そこそこどまりの人は、『やり方』を体に叩き込みながら学習するのですが、なぜそのやり方なのか、どういった論理が成り立つのかという思考をしていません。
「なぜそのやり方を選択したの?」と聞いたときの答えで、どこまで思考を深めているのかは一目瞭然です。
そうやって『やり方』中心に経験を重ねてきただけでは、相手に合わせてやり方を変えるよりも、自分のやり方を押し通してしまうので、応用が利きません。
また、時代によって『やり方』が変わると、また一からそれを学習していく必要がある。
伝えるうえで大切なこと
そもそも人は「論理的に考える」のは苦手なのだそうです。
❝考える❞とは苦労を要することなので、人間の脳は「正解があること」や「わかりやすいもの」に飛びついていきやすい構造なのだとか。
つまり、論理的思考や具体と抽象を行ったり来たりして考えられることは訓練のたまものと言えます。
ここで言いたいのは、「考えない人がダメ」ということではなく、人を育てていく側にとって(部下育成でも、育児でも)、何を伝えていくべきなのかということ。
そしてそれは『原理原則』です。
犬の訓練で言えば、動物が行動する行動生物学にあたるでしょう。
会社経営で言えば、企業理念ですよね。
でも、日々の対応の中ではどうしてもやり方を伝えることが多くなってしまいます。
これは育てる方も、早く楽に育てたいと考えてしまうから。
やっぱり、日々の具象を原理原則にどう落とし込んで伝えていくのかが大切であり、自立したハイパフォーマーを育てるためには、それだけでいいのではないかとも思っている今日この頃です。
常に考えるような問いをたてて、お互いに頭を使っていくのが大切ということですね。
ちなみに、犬に「なぜそうするのか?」を諭しても無駄ですよ!
犬とはやり方中心に付き合っていきましょう♪
今回はここまで。
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